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「〜日本人と外国人の結婚〜」

 
杉本和也 (杉本和也事務所)
  2004/01/15


行政書士 杉本和也氏が、プロの観点から身近な問題を取り上げて
難しい法律をわかりやすくお届けします。(編集局)






はじめに

  国際結婚は、以下の二つのケースが考えられると思います。

@ 日本人と外国人が相手の国で結婚する場合
A 日本人と外国人が日本で結婚する場合

 第1回目で述べたように、婚姻手続きの前提として、実質的要件と形式的要件を満たさなければなりません。
実質的要件は、その当事者の本国法に従って判断されます。(但し、双方的要件いついては、当事者双方の本国の法律で判断します。)
そして、婚姻要件を具備していることは、当事者が証明する必要があります。
具体的には、本国法を熟知している当事者の官憲が、当事者が婚姻要件を備えていることを証明した『結婚具備証明書』を添付することになります。
形式的要件とは、例えば、婚姻届における証人の有無などの「方式」上の要件です。

以上を踏まえて、(1)のケースを考えてみます。

 今回のケースの場合は、日本人が外国で婚姻をするので、日本の法律上婚姻要件が具備されている旨を、当事者が立証しなければなりません。つまり、当事者である日本人が日本国の証明した「結婚要件具備証明書」を入手することになります。

日本人が国際結婚で必要とされる『結婚具備証明書』の交付を受けるには、以下の手続きによります。

【発行権限者】

@ 本籍地の市町村長

 住所地と本籍地が異なる場合は、必ず「本籍地」の市町村長に発行してもらうこと。
国によっては、日本国内の官憲による発行の「結婚要件具備証明書」でなければならないとしている場合があります。渡航前にどこの機関が発行したものが要求されているのかを調査する必要があります。

A 在外の大使・公使または領事

 自分の戸籍等抄本をその国の大使館等に持参して、提示すれば、その戸籍に基づいて審査をし、発行されます。
国によっては、その国にある日本の大使・公使または領事発行の「結婚要件具備証明書」でなければいけないとしている場合があります。この場合、@の証明書では受付けてくれないので、注意が必要です。

B 法務局長・地方法務局の支局長

 国によっては、@の証明書では国家(日本国)の証明として、要件を満たさないとして、法務局長・地方法務局長の支局長の証明を求める場合があります。

【提示書類】

@ 申請人の戸籍抄謄本

 最新のものが必要です。女性については、分籍等により新戸籍の場合は、待婚期間を満たしているかの審査の為に従前の戸籍や除籍謄本が必要になる場合があります。
 戸籍簿の備えてある本籍地の市町村に請求する場合は不要です。
また、申請人が未成年の場合は、父母の同意書が必要となります。

A 身分証明書

 申請人の本人確認の為に、運転免許証やパスポートなどを提示します。
そして、結婚要件具備証明書を受領後に、下記の「認証」手続きを経る必要があります。

@ 外務省での確認証明

A 在日の相手国の大使館等で認証を受ける

‥下記の国では条約(ヘーグ条約)により、A「認証」が簡略化されます。


ヘーグ条約加盟国一覧

 Aで認証を受けた「結婚要件具備証明書」をその国の本国に提出し、外国での婚姻が成立します。
尚、「結婚要件具備証明書」以外にも、日本から用意していかなければならない書類が必要な場合があります。(同じ書類でも、数通必要な場合があります。)
これは、国によって異なりますので、渡航前に各国の領事館等で確認をすることが必要です。

 次に(2)のケース(日本人と外国人が日本で結婚する場合)ですが、
外国人の本国官憲が発行した「結婚要件具備証明書」を添付して、日本国内の市町村にて婚姻届を出します。(婚姻届の書き方は、第2回をご参照下さい。)

当事者が日本に在留している場合は、在日本大使・領事等に結婚要件具備証明書を発行してもらうことになります。
この場合も、各国により各種書類の提出を求められる場合があります。事前の確認が必要です。
また、結婚要件具備証明書は、直ちに発行されない場合が多いので、余裕を持って申請をする必要があります。

プロフィール
杉本和也(すぎもと かずや)

1997年8月に『杉本和也事務所』設立。現在、静岡県東部を中心に精力的に活動を行っている。1999年1月には入国在留審査関係申請取次者として承投される。主に外国人のための法律相談や無料相談会も月に1度、開いている。

ホームページ:
http://www.numazu.to/sla/

所属団体
日本行政書士会連合会
静岡県行政書士会