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 「利息制限法」は心強い味方です。

 
杉本和也 (杉本和也事務所)
  2003/10/28


行政書士 杉本和也氏が、プロの観点から身近な問題を取り上げて
難しい法律をわかりやすくお届けします。(編集局)






貸金をする場合の利息の制限

 長い不景気が続いている為なのか、近頃よく「金銭貸借のトラブル」のニュースが流れます。そして、「高金利のために、幾ら返済をしても借金が減らない‥」、という話を耳にします。

上記のような高利による金銭貸借のトラブルで有効な効果を発揮している法律として「利息制限法」があります。

この法律は、高利を抑止し、貸主の暴利行為から借主を保護することを目的としており、金銭消費貸借での利息契約に適用されます。

  制限最高利率 利息
@ 元本 〜10万円未満 年20%
A 元本 10万円以上〜100万円未満 年18%
B 元本 100万円以上 年15%


制限最高利率は、上記の表のとおりになっています。

 そして、債権者が元本、利息以外に受け取っていた「礼金」「手数料」「調査料」等は、その名目の如何に関わらず、全てこれを利息とみなします。(但し、契約締結費、債務弁済費は別。)

 次に、制限利息を超えた利息の支払いを約束する利息契約は無効とされ、制限超過分は裁判でも請求できません。つまり、債務者は、制限利息を超えた利息を返済する義務はないということです。

但し、債務者が、制限超過利息を「任意」に支払った場合、利息契約自体は無効ですが、任意に支払った超過利息の返還を請求できないとされています。(利息制限法1条2項)

なぜ、任意で支払った超過利息分の返還請求を否定するかというと、債務者を保護した法律があるのに、それに違反して高利を支払った者を、国家は積極的に保護しないという姿勢があるからです。

 しかし、これでは、債務者保護が徹底されません。

そこで、最高裁の判例で、以下のような原則が確立されています。

  @ 債務者が制限超過利息・損害金を支払った場合でも、元本債務が残っているときは、超過部分は、費用⇒利息⇒元本の順に充当される

(最判昭39.11.18)

A @の充当結果、元本債務が完済となった場合は、その後の支払額について債権者の不当利得となり、債務者は返還請求が出来る

(最判昭43.11.13)

B 制限超過利息・損害金を元本とともに任意に支払った場合、充当に関して特段の指定がない限り、債務者は、利息制限法に従った元利合計額を超える支払額について、不当利得の返還請求をすることが出来る

(最判昭44.11.25)


しかし、「利息制限法」には、罰則規定がありません。

高利貸しは、裁判上は利息制限法の制限内の範囲で利息を制限されますが、その点の危険性さえ享受できれば、どんな高利でも営業できることになってしまいます。

 そこで、制定されたのが、「出資の受入、預り金及び金利等の取締り等に関する法律」(略して「出資法」)という法律です。

この法律は、ある一定額以上の利息契約をし、またはこれを超える割合による利息を受領した違反者を罰するものであります。
出資法は、近年に規制強化の改正がされ、より債務者保護に役立っております。

次回は11月中旬の公開予定です。

プロフィール
杉本和也(すぎもと かずや)

1997年8月に『杉本和也事務所』設立。現在、静岡県東部を中心に精力的に活動を行っている。1999年1月には入国在留審査関係申請取次者として承認される。主に外国人のための法律相談や無料相談会も月に1度、開いている。

ホームページ:
http://www.numazu.to/sla/

所属団体
日本行政書士会連合会
静岡県行政書士会