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うの

ここ暫く、作家宇野千代さんの自伝とも言える「生きてゆく私」を読んでいた。
宇野さんは生前黒柳徹子の「徹子の部屋」に出演した折のTVを見て「凄いおばさんだな」と感心した記憶があるが改めてその足跡を辿り声も出ない。

なんとも驚くのが愛欲の奔放さだ。文化史に名を留める人達と関係を結んでいるわけだが、そのくっ付きかたも別れかたも実に見事。最後の愛人とも呼べる画家の東郷青児とは東郷青児の愛人との情死事件の取材に行った日に、すぐ男と女の中になったと記されておりもうびっくり。「自死した愛人の生前の残り香が色濃い中で営みを交わした」との記述はまともな人間のすることとは思えないというのが正直な感想だ。

通常人の感覚では呆れるような記述が多いが、注意しなければならぬのは今よりもっと男女間の倫理に厳しかった時代に全て行われた行為ということである。はからずも本の裏表紙に「この本を読むと宇野千代の長生きした理由がわかるような気がする」と記されていたがまったく同感だ。

なんとなく呆れるような感じで読み始めた本も、終盤は「多くの人が時代に踊らされる中、確固として生きる人の強さを見た思いでこれはこれで凄い」と感心するように読み進んだ。
腹の座った人はいつの世も雄雄しく生きるということを思い知らされた一冊だ。
Category: 読書の喜び
Posted by: sawayama

03/13: 白ちゃん

白ちゃん

よく雨の降る早春だ。
晴れた日に外出の仕事をこなせるよう天気予報とにらめっこの日々である。
サクラの開花予報も出始め、春の高校野球も始まるが瞬くうちに季節は過ぎ行くのであろう。世の中も様々に変化する中、大きな変動も無く一年を送れることの有難さも思う。

先日、「かご猫」の白ちゃんの写真集第2弾が出たとのことで本屋に行ってみたが、その魅力に抗しきれずやはり買ってしまった。自然の中で伸び伸びとした日常を送っている白ちゃんの毎日自体が、もはや「癒し」である。感動的ですらある。

ブログでの情報発信が日常的なものになる中、ネコ系の人気には凄まじいものがあるようであり出版される写真集も増えた。なんと先週のBRUTUSの表紙は不思議顔のネコ「マコ」であり驚いた。新書とネコ系写真集は今後も本屋で幅を利かせそうだ。

日々ブログで特定のネコ達に接すると愛情も覚える訳であるが、残念なことに人気ブログ猫バカとバカ猫の主人公「スケキヨ」が急逝してしまった。
スコティッシュ・フイ-ルドの可愛らしさを存分に思い知らせてくれただけに、その早すぎる死は誠に哀れであった。春の雨も涙雨に思われる。
Category: つぶやき
Posted by: sawayama

03/04: 古美術

syo

毎週見るTV番組のひとつに「開運なんでも鑑定団」がある。
美術品(特に絵画と書)が好きなこともあるが、飽きることがない。
考えた人の企画力には素直に脱帽する。
紹介された美術品にすぐ金銭的価値が付与されるという点に、見る者をして納得させる構成がある訳であり、世界中普遍的に受け入れられる企画だと思う。

先日、著名なオ-クションで中国清朝時代に円明園という離宮より西欧に略奪された十二支のネズミとウサギの像が39億円という金額で落札されたことが報じられた。
落札したのは中国人らしいが「金は払わん」と言ってるらしい。
筋の通らぬことであるが気持ちは分かる。
戦後日本からも買い叩かれるように多くの宝物が流失しているが、残念なことだと思う。

写真は、書の中でもっとも好きな黄庭堅の「書松風閣詩」であり、台北の故旧博物館に収蔵されている。売りに出れば、果たして幾らくらいの価値があるのだろう。
こんな宝物を公に鑑賞できるという喜びだけは奪われたくないものだ。
Category: 美の壺
Posted by: sawayama