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        Kazuhiro Sawayama



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05/22: 車谷長吉



作家の車谷長吉氏が亡くなった。
「赤目四十八滝心中未遂」を読んで以来心惹かれる作家となり新刊が待ち遠しかった。
これからはそれも望めなくなり誠に残念だ。

人間の業や醜さ、救いようの無さを突き放すような筆致で書いている印象が強いが、作品を読んでいる時は自身文字を一語一語噛み砕き腹底へ飲みこんでいるような思いが強かった。
世の中や人生を考える上で大きな影響を受けてきた人の一人だと思う。

この休日は、過去知人に貸して褒められることの無い「赤目四十八滝心中未遂」のDVDを観ながら故人を偲びたいと思う。
Category: 読書の喜び
Posted by: sawayama

10/14: 工夫



三島市のイト-ヨ-カ堂の3階に「くまざわ書店」という本屋さんが入店している。
買い物の折に良く覘くが、感心させられることがある。
それは書店の一角に朝日新聞、静岡新聞、日経新聞等の書評で採り上げられた本がしっかり揃えられていることだ。出来るようでなかなか気のつかないことかもしれない。

本屋さんには本好きであるが故に勤める人も多いらしいが、「くまざわ書店」にも本好きな人の気持ちが分かる素晴らしい売り手さんがいるのかもしれない。
お陰で今回も早々と上原善広「石の嘘塔」を手にすることができた。感謝、感謝である。

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Posted by: sawayama

07/21: 直木賞



直木賞に黒川博行氏が決まった。非常に喜ばしい。
浜田文人、横山秀夫と並びこの分野では一目置いている作家だ。

最初に黒川博行を読んだのは今回の受賞作となった「疫病神」シリ-ズの初期の作品であった。産業廃棄物の処理場を巡るスト-リ-であったが、多少業務に関連を持つ者としてリアリティの高さと筋書きのうまさに感心した。そしてその後の作品も期待を裏切らない。

或る評論家が黒川博行がまだそれ程多くの人に読まれていないのは、「舞台設定が裏社会であることが大きいのでは」と指摘していたが、一度読むとその関西弁ト-クの歯切れの良さに多くの人が引き込まれるのではないかと思う。新刊の待たれる作家だ。
Category: 読書の喜び
Posted by: sawayama

05/07: 荒地の恋



ねじめ正一が中央公論文芸賞を受賞した「荒地の恋」をここしばらく読んでいた。
詩人北村太郎の異性関係を綴った本であるが、思ったよりおもしろかった。

北村太郎は昔、トレヴェニアンの「夢果つる街」を読んだ時、訳を手掛けていた人であり、その訳のうまさにずっと記憶に残っていた人であるが今回実像に迫ることもできなかなか良かった。

   朝の水が一滴、ほそい剃刀の
   刃のうえに光って、落ちる それが
   一生というものか。残酷だ。

常人には詠めない感性はやはり詩人のものだ。
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01/19: 芥川賞

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西村賢太が芥川賞作家になってしまった。
青天の霹靂とも呼べる驚きだ。芥川賞直木賞の候補者にノミネ-トされたこと自体驚きであったのにアッサリと文壇の歴史に名を刻んでしまった。

「どうで死ぬ身の一踊り」が2009年に脚光を浴びることとなり、それ以来気になる作家であるが車谷長吉と遜色ない位強烈であり、そしてお下劣である。
文学好きな上品なおば様達が「芥川賞受賞作品なら是非読んでおかなきゃ」などとのたまいかなり買いそうな気もするが、嫌悪感に卒倒する様が目に浮かぶ。

写真で見るのと同様TVに映し出された映像も全く作家という風貌には遠いものであったが本人自ら暴力をふるい続けた来た過去を明らかにしている。あわせて実の父親が婦女暴行で逮捕された人間であることもオ-プンにしている。
なんとも凄い人間が作家として精進してくれたものだ。

受賞の感想として西村賢太は以下のように述べている。
 「自分よりだめなやつがいると思って救われる人がいればいい。思い出すと恥ずかしく、考えると腹が立つようなことしか書けない」

社会もこじんまりとまとまり閉塞感に包まれる中、このようなお下劣でも力強く訴える作品を書き続けている男に文壇最高の賞を与えた選考委員の方々に心より敬意を表したい。
受賞を機に西村賢太の作品に接する機会が益々増えるであろうことは望外の喜びである。
Category: 読書の喜び
Posted by: sawayama
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新聞の人物欄で著者が取り上げられており、白取晴彦著「超訳 ニ-チエの言葉」という本をしばらく読んでいた。

歴史に残る哲学者であり原書なんぞを読んでもチンプンカンプンなのであろうが、超訳ということで平易な言葉で記されておりなかなか読み易かった。
著者も観念的で実感の伴わぬ言葉よりスム-ズに受け容れ易い翻訳を心がけて呉れたようである。例えば以下のような稿もある。

  悪とは何か。人をはずかしめることだ。
  最も人間的なことは何か。どんな人にも恥ずかしい思いをさせないことだ。
  そして、人が得る自由とは何か。
  どんな行為をしても、自分に恥じない状態になることだ。

本書に綴られている232の言葉を良く噛みしめながら一日一日を送ることができればストレスの少ない日常にはなりそうだ。

それにしても人生や社会に深い洞察を見せたニ-チエも「1889年に精神が崩壊した」
とあり複雑な思いではある。
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池内紀さんはドイツ文学者であると同時にエッセイストでもあられる。
私はこのひとの一人旅や山行、文学全般についての叙述がとても好きでかなりの著作に接した。
その中でこの「森の紳士録」は一番好きな作品である。

ウサギ、サワガニ、アキアカネ、モズ等々、人間の身近にある森の中でつつましく暮らす25種余りの生き物達について、それぞれ稿を改めつつ記したものだが誠にしみじみとした味わいがあり読みながら気持も落ち着く。

神様から世の生きとし生けるものに平等に与えられたこの地球という環境の中で人間様ばかりが身勝手な行動を繰り返し生態系に色々な負荷をかけている訳であるが、そんな人間様のすぐ近くで愚痴ひとつ言うでもなく日々懸命に生きている姿が健気である。
この本を読むと身の回りのありふれた自然の中にも彼等の息遣いを感じずにいられない。

笑ってしまったのが「モグラ」についての稿であるが、箱根周辺を境として東日本と西日本で分布する種が分かれてくるらしく、三島、須走、駿河小山あたりの身近な土地での棲息状況についても触れられていた。読むだけで楽しくなってしまう。

とことん雨に降られ大きな被害も出た今年の梅雨だが、明けたら少し遠出してより彼等に身近な高原でさわやかな夏の風を感じたいものだ。
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Posted by: sawayama

02/28: 春近し

春の雨の降る日が続く。
春暁 春光 春愁 春宵 春情 春暖 ・・・ 春のつく言葉は多いがいづれの言葉もどこかしらほの温かい。
春泥という路のぬかるみを示す言葉にすらやさしい響きを感じるから不思議だ。
北国の人達にはまだまだ遠い言葉でも暖かい静岡で暮らすと「ひと雨ごとに春は近し」という想いは強い。
梅はもう既に咲いているが3月にはいると桜が春景に一段と花を添えることとなるのであろう。

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俳句と絵で鳴らした蕪村に「春色楼台図」という名画があるが、静かに雪に降りこめられた中、軒を並べる家々から市井の人々の静かな夜とその暮らしが伝わってくるようでとても好きな絵だ。

有名な文芸評論家が以前この絵に下記のような蕪村の句を添えて評論していた。
日本の美しい四季と慎ましやかな人の暮らしが思われとても穏やかな想いを抱いた。

   うづみ火や 我かくれ家も 雪の中
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Posted by: sawayama
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歳をとるとこのような本を手にとることにも余り違和感がなくなってくる。
著者の指摘する25の中に以下のような項目もありじっくり読んでみたいという気になり買ってみた。
 
美味しいものを食べておかなかったこと
 行きたい場所に旅行しなかったこと
 他人に優しくしなかったこと
 記憶に残る恋愛をしなかったこと                   等々

多くの項が洞察に満ちており、「いい本だな」と思いつつ読み進めたが著者の年齢が33歳と知りびっくりした。
最初は高齢のおじいちゃんの著作と思いこんで読んでいた。

著者は緩和医療に従事する医者であり必然的に死期間近の患者さんと接することが多いらしい。
こんなお医者さんが増えると人生の終焉を豊かに迎えられる人もまた、きっと増えるのだろう。
味わい深い一冊であった。
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Posted by: sawayama
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シルバ-ウィ-クはリリ-フランキ-の「東京タワ-」に読み耽った。
そして不覚にも泣けた。
ペ-ジ数が残り少なくなるにつれ愛しむように読んだ久しぶりの本であった。

様々な親子の在り様があり、その関係も変容し続けることを自認もし、諦めてもいる者にとり「憧憬」としか言い表わせないシ-ンが全編を通し描かれており胸を衝かれた。

読み進めながら様々に抱いた想いはいつまでも消えることはないだろうと思う。
多くの人に読まれるSTORYにはそれなりの根拠と感動のあることを改めて感じた一冊だった。
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Posted by: sawayama