ねじめ正一が中央公論文芸賞を受賞した「荒地の恋」をここしばらく読んでいた。
詩人北村太郎の異性関係を綴った本であるが、思ったよりおもしろかった。

北村太郎は昔、トレヴェニアンの「夢果つる街」を読んだ時、訳を手掛けていた人であり、その訳のうまさにずっと記憶に残っていた人であるが今回実像に迫ることもできなかなか良かった。

   朝の水が一滴、ほそい剃刀の
   刃のうえに光って、落ちる それが
   一生というものか。残酷だ。

常人には詠めない感性はやはり詩人のものだ。